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06年旅行

2009.07.19

06年ミンダナオ旅行

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ミンダナオに行こうと決めてから1年半の準備し、4月から具体的に始めました。日本人がよく行く観光地なら情報量が多いのですが、それ以外の地域は極端に情報量が少ないです。それでもミンダナオに行っている日本人や、ミンダナオ在住の日本人のサイトを見つけたり、ほとんどがネットでしたので、メールのやり取りが130件超えました。それでも知り合いが出来たり、周辺の情報が入ってきて、意味のあるものでした。

石井正子著「女性が語るフィリピンのムスリム社会」を読み、ジェネラルサントスに行きたいと思いました。それが現実になり、モスクも見にいけました。

一人で行く予定でしたが、リタイア組みの知り合いと一緒に行く事になり、夜ホテルの部屋で一人でいる寂しさから開放されました。彼女は、今まで病院で検査技師をしていて、検査をしながら色々な事を考えたそうです。そして、将来今までの経験を生かして海外協力をしたいと希望があり、自分には何が出来るかを探す旅です。

9月は台風の季節。一度台風で旅行の帰り大変な思いをしたことがあるので、台風を避けるために千歳から香港経由で行く事にしました。ちょうど、キャセイパシフィックでキャンペーンをしていて、日本発券分に限り、香港乗り継ぎの為のホテル代は無料でした。得した気分です。

9月6日 千歳発16:45CX581
     香港着20:50
     香港発22:00CX
     マニラ着23:55
9月7日 マニラ発7:00
     ジェネラルサントス着8:50
9月15日 ダバオ発14:30
     マニラ着16:15
     マニラ発20:05CX902
     香港着22:05
9月16日 香港発9:45CX580
     千歳着15:35

千歳からジェネラルサントスまで

出発前の1時間半前に待ち合わせ。キャセイのカウンターは無いので、国際線のJALカウンターで搭乗手続きをします。カウンター前は長蛇の列。今は観光シーズンだったかしら?
コンピューターの故障のため、搭乗手続きが遅れているのです。全て手書きでしていました。ハイテクの時代ですが、最後は手書きになるのですね。早めに待ち合わせてよかった。
キャセイに乗るのは始めてですから、なんか、ワクワクしてきます。
こんな張り紙を見つけました。
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「経済各位」って、エコノミークラスのことかしら?
キャセイは他の航空会社とのサービスの違いはあまり無いように感じました。でも、座席ごとにあるヘッドホンは、あらかじめ置いてあるのではなく、お客さんが乗ってから客室乗務員の方が持ってきます。ビデオを見ていると、字幕は香港の言葉。漢字なので、なんとなく分ります。

乗り継ぎのチャンギ空港は広い広い。人の流れに身を任せ、カンで移動します。途中で掲示板を発見。東アジアですもの、地名は漢字です。マニラは麻尼拉になっていました。
あ~、なるほど…。
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レベル5の到着ロビーから、レベル6の出発ロビーに行くはずなのに、なぜか下に下りていき、地下鉄みたいなのに乗って行くのです。空港の人に聞くとこれでいいと言います。チョコッと不安になりましたが、矢印通りに行ってみる事にしました。乗り換えの時間があまり無いので、あせってしまいましたが、これでいいのです。
無事にマニラ行きに乗り、マニラ到着です。
入国審査までに行く通路では、バンド演奏でお迎えです。
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入国手続きを終わり、荷物を取り、これからが勝負です。フィリピンで一番危ない所はマニラだと信じて疑わない私。思いっきり緊張しています。
ホテルまでのタクシーを拾うと、ひどい料金を請求されたりするらしいので、空港の出口辺りにある、タクシーカウンターに行き、ホテル名を告げて、タクシーを手配してもらいます。宿泊ホテルのNew Solanieまで500ペソ。高くても安全を買っているのです。乗ったタクシーの運転手は日本語が上手でした。朝7時の便でジェンサンに行く事を言うと、ホテルに4時に迎えに行くというので、頼みました。ホテル到着1:30位。この時間、結構きついのですけど…。ホテル前の道路は真っ暗で誰一人いませんでした。恐ろしくなって、さっさとホテルに入りました。このホテル、あまり良くなかったですが、ベッドで寝られただけで良しとしましょう。朝早い出発なので、空港で寝いた方が安全だと考えていたくらいですから。

タクシーの運転手さん、本当に4時に迎えに来ました。時間を守るフィリピン人って貴重な存在かもしれない。空港に行く前に、両替商で円をペソに換えました。ここはレートが良くない雰囲気が漂っていたので、とりあえずの分だけね。

7時発フィリピン航空のジェネラルサントス行きに乗り、空から見るマトゥトゥン山は綺麗ですね。
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ジェンサンに近づいてくると、それまでの風景が一変し、はげ山です。所々、木が一列に並んでいるので、人の手が加わっているのが分ります。
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ジェンサンの空港に着いたときは、チョット感動しました。だって、準備に苦労したから…。空港前には装甲車がありました。
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先住民族のために活動をしている日本人女性と、ミンダナオの女性で、イスラムの女性の為に活動をしているナプサさん達がこの日一日私たちを案内してくださいます。車の中で、石井正子先生の著書を読んでジェンサンに行きたいと思ったといったら、石井さん、さっき空港まで送った。私に紹介してもしょうがないかと思ったから、紹介しなかったのだそうです。私たちが到着ロビーにいた時に、石井先生は出発ロビーにいたのですから。滞在中はナプサさんの家に泊まっていたんだって。これならもっと早くに言っておけば良かった。

ジェネラルサントス/ディアス村

ジェネラルサントス
モスクを見たいと強く希望していましたので、モスクを見て回りました。
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手前にある広場のような場所が新しい形のモスクです。メッカに留学した人が、メッカにあったモスクを見てまねて作ったのだそうです。これでほぼ完成です。写真の奥の方が正面になります。イスラムでは祈るときはメッカに向って祈るので、向こう側がメッカになります。自然と一体となって祈るのです。
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今まで使っていたモスクです。

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近くに織物を織っている人がいるので、寄ってみました。素材は化繊です。イスラムでは動植物は描かないので、幾何学模様になります。

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ジェンサンで一番大きなモスクです。1階が洗う場所、2階が女性が祈る所、3階が男性が祈る所です。顔、耳、手、足を洗ってから祈ります。中には入れませんでした。

皆はまだ朝食は食べていませんでしたので、レストランに入りました。
ここの料理は美味しかった。
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ディアス村
ディアス村に到着。村の女性たちはクリンタンの演奏で迎えてくれました。
演奏は、とにかく早い。目で追っていけなくなりました。
みんぱくのサイトで、ゴングが聞けるので、時々聞いていましたが、本物の演奏が聴けて感動しました。音楽が体に染み付いていると感じました。
スペインは徹底してキリスト教化を進めていき、土着の音楽を絶滅に追いやりましたが、最後まで抵抗してきた少数民族によりかろうじて伝えられてきた、スペイン時代を生き延びた文化の代表格です。イスラムのクリンタンは、演奏形態、表現方法、衣装に、イスラムに対しての偏見が入っているそうです。スペインからの抑圧の痕。

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後ろの方では、竹を裂いて作ったバチで、ゴムで作られたような感じのバケツのようなものを叩いてリズムを刻んでいます。なんでも楽器になります。
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ゴングです。

柱と屋根だけがある集会所で昼食です。
たぶん、私たちが行くというので特別の料理が出されたと思うのです。いつもはこのようなものを食べているのではないようです。
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食事の後は、楽器をこの場所に移動して演奏と踊りです。
クリンタンは音楽と踊りとが一体となったもの。ディアス村はいくつかの民族の人が住んでいて、それぞれの踊りを披露してくださいました。
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ディアス村のモスク
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ディアス村を後にして、ジェンサンに戻ります。
建設途中のモスクがありましたので寄ってみたのですが、以前写真を撮って商売をした人がいたので、写真を取るのをとめられました。海沿いでしたので、海岸に行きました。ここは近々開発の為、住民は立ち退きをさせられます。
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次はマルベル(コロダナル)市に行きます。

マルベル(コロダナル)市

マルベルは地図上ではコロナダルと記載されていますが、ミンダナオ関係の人たちはどなたもマルベルと言っていますので、「マルベル」で統一します。
マルベルには、チボリ、マノボ、ビラアン、カラガンなど多くの先住民族が住んでいます。
2000年10月に構成要素市に昇格し、2007年の人口は約14万9千人で、2万7千世帯です。サウスコタバト州の州都です。
7つのバランガイが都市部を、20のバランガイが郊外の農村部を形成しています。
国際漁港があるジェネラルサントスからコタバトを結ぶ幹線道路の中心に位置しているので、農業だけでなく商業も発達しています。
ジープニーの乗り入れが禁止になっているので、庶民の足はもっぱらトライシクルです。
主要道路沿いに出る屋台は午後5時以降と決まっています。
家庭のゴミは市役所がうまくやっているので、清潔な街並みです。

そんなマルベルにある知り合いの家に荷物を一旦置かせてもらい、1泊だけの用意をして、ミンダナオ1泊目はマルベルにある御受難会です。ここは観想会で日本人シスターが二人います。マザー松田はミンダナオに30年。
高い塀に囲まれていて、門の前に修道会の看板がありました。
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中に入って行くと建物があります。玄関のチャイムを鳴らすとシスターが出てきます。
右側には聖堂があります。
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正面の建物と聖堂の間に、マリア像がありました。

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お客さんの泊まる部屋です。

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裏側に庭があり、28年前アメリカ人でイエズス会の神父さんが黙想指導に来たときに神父さんが造った枯山水のような一角があります。日本に居た時期があるので、このようなものを作ったそうです。イエズス会の創立者であるイグナチオが考えたお祈りの仕方(霊操)の宿泊霊操に始めて参加したのをきっかけに日本CLCに入り、札幌の助言司祭の勝谷神父さんに出会い、神父さんから祐川神父さんを紹介され、神父さんからマザーを紹介された事をマザーに言うと、二人で人との出会いの不思議に感動しました。その勝谷神父さんは「イースタービレッジ・ミンダナオを支える会」の代表者をしているので、今は私の上司です。

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この建物は、神父さんのお部屋があるのだそうです。

夕食はお部屋でしました。とても美味しかったのですが、全部食べ切れなくて、主食を残してしまいました。一緒に行った人が、「写真とっておけばよかった」と言います。空の皿をとっても仕方が無いので、写真は無しです。

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翌朝、朝ミサに参加しました。聖堂の前にシスターたちと私たち。半分から奥が近所の人たち。

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朝食は玄関近くの部屋でいただき、帰る支度です。
玄関近くのケースにシスターたちが作ったカードやしおりが置いてあります。買いに来る人があまりいないので、私たち、持って帰り、札幌で売ることにしました。丁度これからならクリスマスに間に合います。

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知り合いの人が迎えに来てくれて、一度戻り、ポロモロックで先住民族のお祭りがあるので、行く事にしました。本当はメインイベントが見れるはずだったのですが、直前になって日程の変更があり、見れなくなりました。直前の日程変更は、ミンダナオの人たちにとってなんら問題は無いのかしら?

マルベル市内を少し見て回りました。
朝市です。
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タマリンがありました。生タマリンを見たのはなじめてなので、チョット感動です。

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朝市で仕入れてきたものと、隣のおばさんからもらったもので、食事です。

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マルベルで一番大きな教会、カテドラルです。写真では良く分りませんが、玉座のイエスです。圧巻でした。

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隣に小さな聖堂があり、ここでお祈りをしている人たちがいました。正面には祭壇があり、御聖体が置いてあります。荘厳な雰囲気です。

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信号機の無いミンダナオで、歩道橋があるのですから。道路が放射線状になっていて近くに二つも。でも、誰も使っていません。歩いている人が見かけないのです。何の意味があるのでしょう。

ビラアン民族のお祭り

ポロモロックでビラアン民族のお祭りがあるので行きました。マルベルのバスターミナルからジェネラルサントス行きのバスに乗り、途中のポロモロックで下車。マルベルのバスターミナルは、バス会社毎にあり、そのほかにバンのターミナルがあります。

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このバス(イエローバス)に乗りました。フロントガラスの運転席側に行き先が書いてある紙が有りますので、行き先を確かめます。乗って、出発してまもなく車掌さんが回ってきて、行き先を告げると、券に何処で乗り、何処で降りて、料金はいくらかと穴を開けて渡されます。35ペソ。
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そのすぐ後に別の車掌さんが来て、この切符を見せて料金を支払います。

どうも、このバスは日本車のようです。前に向って左側は3人がけ、右側は二人がけの椅子に取替え、運転席と出入り口を反対にしているのです。窓と窓の間に、下りるときに押すボタンが付いています。おまけに、ドアは開け放して走っています。
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ターミナル近くの、札幌で言えば大通公園のようなところで開催されていました。
広場では、小学生の鼓笛隊の演奏をしていました。今まで一生懸命練習してきたのが分ります。

果物を売っている所、木製の製品を作って展示販売している所等、沢山の小さな建物があり、私たちは織物の所に行って見ました。
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ビラアンの織物は、素材はアバカ(マニラ麻)。染料は色により種類が違うのですが、植物です。アバカから糸を取り、数本束ねて糸で縛り、染めます。糸で絞った所は染まらないで白く残る所で織った時に模様を出します。縦糸で模様を出す縦絣です。

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刺繍をしている女の人がいました。

ここでもクリンタンを演奏してくれました。

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大きいゴング。低音で旋律を支えます。

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小さいゴング。旋律を担当します。
Aの音を中心に展開していき、しばらく演奏します。その後は、イ、ロ、ハの音で短く演奏し、上に上って、Bの音が中心に又しばらく演奏になります。それから全体を使って演奏し、始めに戻ります。この繰り返しなので、単純なのですが、とても素晴らしい。

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船のような物は打楽器。棒で上からつつくようにリズムを刻みます。良く見ると、ワニの形をしています。織物にもワニの模様があります。昔はこのあたりにワニが住んでいたのだそうです。

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踊りも踊ってくれました。後ろの男性が演奏しているのは、弦が2本くらいの楽器です。演奏中に弦が一本切れました。

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最後に皆で記念撮影です。
ビラアン民族の皆さん、貴重な文化を見せてくださり有難うございました。

近くの商店街で昼食を取りました。お店の中は込んでいたので、玄関前にあるテーブルを陣取りました。
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コピーを取りたかったので、現地の人に案内してお店に行きました。コピーを取る事をゼロックスと言います。写りがあまり良くなかった。知り合いの家に戻ってから、薄い所を見ながら書いたのですが、家に帰ってからは、書いていないところが読めなかった。

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運動服を製作販売しているお店がありました。正面にドアも壁も無くて、お店の中が丸見えです。

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バスターミナルに行く途中、テントを貼った出店が沢山並んでいました。おもちゃ、CD、服…。洗っていない靴下が山積みなっていました。

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帰りはこのバスに乗って帰りましょう。

マルベルからキダパワンへ

マルベルからキダパワンまでは、バス一本で行けなのと、荷物があり4人で行くので、バンを借りました。車のレンタル料金は、一日1,500ペソ+ガソリン代800ぺそ。
この日も行く先々でモスクを見て回りました。
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道路沿いにあるモスクに立ち寄る事にしました。男性が出てきて、「これからキダパワンにあるイースタービレッジに行く」と言うと、ここも養護施設、入っていきなさいと言ってくださったので、遠慮なく入っていきました。
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モスクがあり、奥の中央に学校があり、その両側に、左側は男の子、右側に女の子の部屋があります。男の子の部屋と女の子の部屋の間に柱と屋根の東屋のような所があり、ここで男の子が魚を揚げていました。テーブルとベンチもあります。

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女の子の部屋

男の子の部屋の中をのぞいてみましたが、薄暗く、床が無い様に思いました。何処に行っても子ども達は無邪気です。白い粉の塊が入った箱を持っていた女の子がいて、この粉をつけると綺麗になるんだって。私も付けてみました。サラサラした粉です。
わたし、綺麗になった?

又しばらく車で走っていると、ぴかぴかのモスクがありました。
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お祈りの時間を書いてあるのでしょうか?
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回りは芝生で綺麗で、右側には、ここら辺の地主さんのお墓がありました。
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マルベルの知り合いが、行きたい所があると、農業指導をしているドン・ボスコに行きました。山の方にあるのですが、細い道で急な下り坂。そのすぐ向こうは車が一台通れる位の幅で、欄干も何も無い橋を渡ります。橋の先には急な上り坂。すっごく緊張した。この日は土曜日。担当の人が休みで、説明が受けられませんでした。とても綺麗に手入れされています。
フィリピンの人って、畑の土作りをしないんだって。
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さあ、また来た道を戻り、一路キダパワンへ。
前のトラック、豚を運んでいるの。
トラックがカーブするたびに、
ぶひー、ぶひーって鳴いてる。
おかしかったから写真に撮った。
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イースタービレッジ・ミンダナオ

ドンボスコに着いたところで、神父さんに電話。
「あと1時間くらいで行きます」。
初めの予定では、夜になり、はっきりした時間が分りませんが、晩御飯を食べさせてください、と伝えていたのですが、4時に到着。本当はジェンサンの近くのビラアン民族のコミュニティーにトラックで行くのでしたが、大雨の後で山道に車が入らず、ぬかるみを歩くこと2時間に挫折。チボリ民族の所に行くのも、トライシクルも入らず、バイクだって。私、バイクに乗ったこと無い。しかも、運転者の後ろだけでなく、前にも乗るとの話しに、挫折。
…という訳で、予定どうりに行かないのが個人旅行の常。
ツァーなら何も無く楽なんだって。
祐川神父さんは、「先住民族のところは何処もそうだ」と言い、
帰ってから支える会の人に言うと、「そうよ、奥さん」だって。
沢登りをした人に言うと、「その位誰でもすぐだ」と言う。
奥さんの最大の弱点は、気力・体力がついていきません。

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そんなんで、到着したイースタービレッジ・ミンダナオ。
門が閉まっていて、どうやって開けたらいいか分からないのですから。だから、大声で叫びました。
何て叫んだっけ?
わすれた!
中から神父さんとソーシャルワーカーのチェチェと、子ども達が何人か出てきて、開けて貰いました。
あら、簡単に開いたわ。
車を駐車場に移動して、中から荷物を出します。子ども達が手伝ってくれました。
ティナが車の影で見ています。
「ティナ」と声をかけたら、顔がぱっと明るくなり、寄ってきて、荷物運びを手伝ってくれました。

建物の中央に一番広い部屋、リビングがあり、向って右側は子ども達の部屋で、左側は事務所や神父さんとロロ中島の部屋があり、こちらの方は子ども達は入っていけない決まりがあります。でも、お客さんに興味があるようで、小さい子たちは外からのぞいています。
建物の前に在る渡り廊下のようなところで、手すりの内側と外側とでのやり取り…。
私が持っていった目覚まし時計は、おばQに出てくるOちゃん。スイッチを押すと、
「ジリリリーーーー、ばけらった、ばけらった、おきらった、ジリリリリーーーーー」と鳴ります。子ども達は、スイッチを押しては止め、止めては押し…。神父さんの、もうおしまいの一言で終わりました。
これ、結構うけてた。

私たちおばさん3人は、お土産の袋詰めをし、浴衣を着て出て行きました。

この日はスタッフが休みで、一番年上のウィナリンが料理担当です。ウィナリンの作った料理は美味しかった。
食事の後は、歓迎会。子ども達の踊りが始まります。
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2回目のビレッジ訪問。前回来た時にいた子達は個性がそのまま伸びているように感じました。落成式の後から入ってきた子もいますが、全体的に見て、心の開放が進んでいるようです。
それにしても、すごい!!
圧倒されました。

無芸大食の日本人のおばさんたち、行く前に何をしようかと考えて、これなら簡単だと思い、北海道教育委員会の肝いりで作った「子供盆踊り」を披露する事にしました。
歴史を調べ、札幌から一緒に行った方の御主人が町内会連合の会長をしていた関係で、町内会連合の人に盆踊りの曲をテープに録音してもらい、私の息子からカセットのスピーカーを借りて、気合を入れて踊ったのです。

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始めたとたん
…………… しらーーー ………
一気にしらけ鳥の生息地と化してしまいました。
完全な文化摩擦。
まっ、これも、してみなければ分りません。
それでもウイナリンが曲に合わせて即興で踊ったのには驚きました。

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上のまぶたを両側ともひっくり返して、見て、見てと言ってきます。カメラを向けると近づいてくのですから、ピントが合いません。

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それを見ていた子が、カメラの前でガッツポーズです。

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翌日の朝食もいつもどおり皆でいただきました。
この日、午前中にミサに子ども達と一緒に行き、教会ではすっかり子ども達に面倒を見てもらいました。神父さんは、別の2つの教会でミサです。
マルベル組は、この日に帰っていきました。
朝食では、お客さんだけに目玉焼きが出されていました。お客さんが来るとどうするかは神父さんは指示していないのですが、スタッフが自分で考えたのだそうです。その心遣いが嬉しくて…。目玉焼き一個に感動してしまいました。

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平日は、学校に行っている子たちは、登校です。
ビレッジには就学前の子ども達がいます。午前中は、近くの子も交えて、先生に来てもらい、幼稚園が始まります。幼稚園が終わったら、他の子達は親御さんが迎えに来ます。

ビレッジの幼稚園組の子達は、午後からは学校に行っている子が帰ってくるまでお留守番。

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お花をさして、かわいいネ。
おばさん達、子供と一緒に遊ぶのには体力がついていかないのですが、それでも交流はあります。

滞在中に、ビビがサイエンスの大会に学校代行で出場し、2位を獲得し、メダルをもらってきました。

ビレッジには、色々な種類の花が沢山咲いています。建物沿いの花壇に咲いている花は、午前中が一番綺麗です。
塀沿いの隣の公園との境目には、午前中は白く、午後から赤く変わる花があります。
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滞在中に、北海道から一人と、大学で看護学を教えている女性の先生が来ました。
到着の日は、9月生まれの子ども達の誕生会がありました。
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ケーキ、ソーセージ、焼きバナナ…おなか一杯食べました。

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ビレッジに行ってから、キダパワンのわが町探検をしようとか、色々計画を立てていたのですが、ビレッジは居心地が良くて、誘われると行きますが、自分からここから出て行こうとしないのですから。自分から出ようとしたのは、帰るときくらいです。これは予想外でした。今度行くときは何か、対策を立てなければ…。

帰る前日夜、送別会をしてくれました。
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この2年間で子ども達は成長しました。お庭に沢山の花が咲き、公園もできて、外側も内面も進化を遂げているのを感じました。これから益々ビレッジは成長していくのでしょう。

キダパワン市

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フィリピン社会福祉局(DSWD)の養護施設を訪問してきました。ここにいる子ども達は、次に行く所が決まるまでの一時預かりのような所です。率直な感想を言わせてもらうと、他の養護施設を指導できるだけのノウハウを持っているのなら、なぜ自分の所で実践しないのかなと思いました。

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滞在中に大学で看護学を教えている先生が来たので、一緒に病院に行きました。看護師長さんの案内です。お金持ちの人が行く外来・病棟の所と、そうでない人たちがいく外来・病棟のところが分かれています。お金持ちの人たちがいく所は患者さんは少なく静かでしたが、そうでない所は沢山の患者さん達であふれかえっていました。ICUが有りましたが、中に機械は入っていません。ですから、この病院ではI See Youなのだそうです。分娩室には、分娩台が一つあり、カーテンで仕切られているだけです。お産の入院は1泊。廊下の両側にずらっとベットが並んでいます。病棟は、大部屋一つずつ心臓の人、呼吸器の人等と別れています。一部屋8人~10人くらいで、ベッドだけが壁沿いに置かれています。物を置く台や、カーテンで仕切られているような事はありませんでした。

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キダパワンマルベルの方に向う途中にあるM’langのビラアン民族のコミュニティーに行ってきました。丁度お米の収穫の時期で、皆出ていませんでした。貴重な現金収入なのです。居たのは女の人2~3人と子ども達が数人です。この家の屋根の素材はコゴンクラス。

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どこかの支援によりコミュニティーセンターが建てられました。

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家の中ではゴザを作っていました。素材はパワで竹の種類なのだそうです。普通の竹だと硬い。色つきの物はムスリムから買っているそうです。
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この木がゴザの材料になっています。

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崖を降りていくとヤギが居ましたので、ヤギと記念撮影です。

札幌組のおばさんたちは、お汁粉を作るために材料を仕入れてきます。スーパーで、小豆と金時の間くらいの大きさのお豆を見つけ2袋、ナタデココの瓶2個、ナタダココの売り場の隣にあったなんか良く分らない、果物のような缶詰2個、砂糖一袋、市場で煮て食べるバナナ2房を購入。これで30人分を作ります。
私の大好きな市場です。でも、キダパワンの市場は隅々見て歩いていません。次回こそ、くまなく見たいです。
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市場の外では、男の子二人が人参を洗っていました。

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市場の裏にはバスターミナルがあります。建物の右側がダバオ行きで、左側がコタバト行きです。

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ここは、旧イースタービレッジ。借家住まいをしていた頃の家です。2年間借りていました。今は住んでいる人がいます。ビレッジ開設した年の秋に、札幌で祐川神父さんと出会い、翌年3月にチャリティーコンサートを開き、主催した団体を辞めて、支える会に入り…、色々な事を思い出してしまいました。

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司祭会議があるから、行ってみるかいとの誘いに乗り、司教館に行きました。ここは修道会が4つ入っています。

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この絵は、殉教した神父さんたちの絵です。中には身代わりになった神父さんもいるそうです。戦いの歴史の一端です。

会議室に行ってみると、司祭会議が始まる時間の40分後ですが、まだ始まっていませんでした。バリエス司教様がいましたので、神父さんが紹介してくださいました。3年前のチャリティーコンサートでは、出演を札幌子どもミュージカルにお願いしました。出演依頼をするときに、ミンダナオは対立が多い分、対話も進んでいる所ですと、言うと、いい話だ。日程の調整をしましょうと、出演を受けてくださり、実現しました。その対話をしている方がバリエス司教様です。あのときの御礼が出来て、胸のつっかえが取れました。

私たちは、神父さんが司祭会議に出ている間、そこら辺で待っているのでしたが、お客さんが来ているから出なくてもよくなったと、司教館を後にしました。

夜、神父さんとスタッフ達と焼き鳥屋に行きました。行くとまだ開店前でしたので、迎えのレストランで飲み物を頼んで開店時間を待ちました。スタッフ達は子どものお手伝いについて熱く語っていました。スタッフは子ども達のこととなると熱くなるのだそうです。

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ここの焼き鳥、美味しいのですから。飲みねぇ、食いねぇをしました。

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ダバオ

キダパワンからダバオまではバスで行きたかったのですが、神父さんの大反対に合いました。この路線はウィナーバスで、事故が多くて悪名高い所なのだそうです。事故が起きたり、故障をしたりしても帰れるようにダバオで1泊する事にしたのですが、事故ったら、乗ってる私は怪我をするのだとこの時始めて気付きました。もしかしたら、大事な事抜けてない?

…というわけで、スタッフに送ってもらいました。ダバオで案内してくださる人と会い、あちこち回ってきました。

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祐川神父さんと中島さんが関わっている、ディケアーセンター。
就学前の子ども達が来ている幼稚園のような所です。9:00~11:30までで、33人が来ています。親の負担を考えて、保育料は1日2ペソです。
図書室には、英語と日本語の本が沢山ありました。

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教室は子どもらしく可愛い。

ダバオ博物館は、インシュラービレッジの中にあります。タクシーで行きました。
インシュラービレッジの入り口に、警備の人がいて、運転手さんは身分証明書か運転免許証を預けて、番号札を受け取ります。その間、車の下やトランクの中を調べられます。
何も無ければ入れます。走っている車が無く、とても静かな高級住宅街。話には聞いていましたが、ここがそうなんだと…。

博物館は午後から開館でしたので、時間がありますから、一度外に出て、インシュラーホテルのバイキングに行きました。一人600ペソ。超豪華版。
インシュラーホテルとインシュラービレッジは経営は同じだったのですが、爆発事件があり宿泊客が減り、倒産。ホテルはサマール島にあるパールファームビーチリゾートが買い取り、インシュラービレッジは別の会社になったとのこと。ホテルは海岸に有り、広い庭に、お店がいくつも出ています。
ここらへんにマンダヤ民族の織物の実演をしている所があるとガイドブックに書いてありましたが、パールファームに移ったって。2年前に行ったときに見たのだ!

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開館時間になりましたので、ダバオ博物館に行きました。
1階は、マルコス時代のピープルパワーまでの歴史です。ヨーロッパ時代、アメリカ時代が写真が展示してあるのに、日本時代がありませんでした。なぜなのか聞くに聞けなかった。
2階は文化です。楽器、織物、民族衣装、食器などが展示してありました。

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ここを経営しているフィリピン人は、以前日本で仕事をしていた経験から、日本で使わなくなった家電製品をダバオに運んできて、修理をし、販売をしています。日本とフィリピンの新聞でも紹介されていました。

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残った部品でこのようなものを作っています。

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高校を卒業した子達が週に一度英語と日本語の教室で勉強をしています。
今は英語。日本語は土曜日だそうです。
会計や、家電製品の修理を教えるクラスもあります。

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プラハの幼きイエスの神殿。
広くて、綺麗に手入れがされています。柱と屋根だけの聖堂が沢山あり、自然と一体となっているところです。高台にありますので、ダバオ市内を一望できます。

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芝生の所にはこんな看板が立てられていました。デートをしている人が居るのですね。

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ミンダナオについてから、多少のくしゃみと鼻水が止まらないのです。案内してくださった人が、「アレルギーじゃない?」
あ~、そうだ。どうも風邪ではないと思っていたら…。
薬局でアレルギーの薬を買うことにしました。1日1回夜飲む薬です。薬局では薬を1日分づつ売っているようです。

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ホテルを予約したときは、ダバオで何をするか決めていなかったので、移動を考えて中心部にあるマルコポロ・ホテルを予約しました。5つ星だとは知りませんでした。
なんか、ほんとに、豪華な旅行をしている自分が信じられません。
ダバオ市内を案内してくださった方の娘さんが、フロントで仕事をしていました。

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宿泊した部屋です。

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13階からの景色は素晴らしい。
アポ山が見えます。

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結婚式があるようで、1階のロビーで写真撮影をしていました。
どうぞ、お幸せに!!

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ホテルの向かいにブラックマーケットがあります。お店の商品に値段がついていないのと、雰囲気がボッタクラレそうな気がしたので、買い物はしませんでした。でも、ここの両替商はレートがいいのです。チョット足りない分を両替してきました。道路沿いに看板が出ているので、場所は分りやすいです。

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交差点に警備をしている人が居ました。
銃口が下を向いているからいいんだ。銃口が真横に向けて警備をしている地域には絶対に、何があっても行かないんだ。

ショッピングモールで買い物をして、一旦ホテルに戻り、空港へ向かいました。2年前と比べて、空港は検査が厳しくなっていました。靴、上着を脱いでベルトの上に乗せます。
空港使用料40ペソ。

今回の旅行では、ミンダナオが好きになりました。

ダバオから千歳/各種料金表

ダバオからマニラへはフィリピン航空で、マニラから香港まではキャセイですから、ターミナルが違います。以前は乗り継ぎのタクシーは無料だったらしいのですが、期待していたようには行きませんでした。カウンターでタクシーチケットをもらい、タクシーに乗ります。降りるときに運転手さんに料金150ペソを払います。

フィリピンの言葉に「きゃ」の発音が無い為、「キャセイ」は「カタイ」になると聞いていたのですが、本当に、カタイ、カタイと言っていた。

飛行機の時間まで結構あるのと、丁度夕食時だったので、昼食を空港で済ませました。中華のファーストフード店と、食堂みたいな所に入りましたが、本当に美味しくないのですけど…。喫茶店はまあまあだったけど…。ターミナル間の移動も面倒だし、マニラの空港、何とかならないのかな?

マニラから香港までは2時間。乗り継ぎの時間の都合で、一泊です。
空港からホテルまではバスが出ています。入国手続きをして、荷物を取り、地図を見ながらカウンターまで行きます。そこで係りの人の指示に従い、バス乗り場まで行きます。
待合室まで行くと、係りの人にバス券を見せて何処で待てばいいか教えてくれます。順番が来たら案内がありますので、バスに乗ります。
バスから見る香港風景は、港はコンテナばかり。
街は鉛筆のようなノッポビルが沢山建っています。道路は狭く、初めての香港におのぼりさん状態。

宿泊したホテルは、ノボテル・センチュリー・ハーバービュー。ちょうど、キャセイのキャンペーンで、香港乗り継ぎホテル無料でした。部屋は狭かったのですが、文句ありません。
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せっかく香港まで来たのですが、真夜中のホテルの回りは、暗くてひっそり…。あたりまえか。
外に出るだけの勇気も無く、ホテルで寝ただけ。
翌日朝早くにバスで出発。

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世界の空港ランキングベスト3に入っている香港空港。広いね。

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トイレを「お手洗い」と言うけど、香港では「手洗間」なんですね。なるほど・・・

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この表示は何かなと、深く考え、良く考えた結果、非常口だと思う。中は階段しかなかった。

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ホントに、地下鉄に見える

乗っている時間が一番長い、香港⇒千歳間。
飛行機に乗り、座席番号を確かめて、客室乗務員に毛布を持ってきてもらうように言うと、びっくりしていた。そうなのです。私は寝る体勢。
そうしたら、飲み物のサービスがあるのですから。それも、グラスに入って!
あれ??
周りを見渡すと、前の座席の幅が広い???
もしかしたら、ビジネスクラス?
私、エコノミーで航空券買ったよ。

一緒の人と、どうするか話していると、若い日本人女性が来て、エコノミーなのだけど、快適だからいたい。どうしますか?との問いに、
私は即座に「黙ってる」と答えました。
たぶん、搭乗手続きのときに間違えたのだと思う。それともダブルブッキングかな??

座席のすわり心地は良いし、サービスは違うし、キャセイ、気に入った!!
機内食だって違う。写真に撮ろうかと思ったのですが、ビンボー臭いからやめました。
最初で最後の経験だと思う。
快適な空の旅でした。

今回のミンダナオ旅行のメモを取った分だけですが、料金を書きます。

レート
 マニラ市内:1万円⇒4,200ペソ
 ダバオ市内:1万円⇒4,270ペソ

空港使用料
 ジェネラルサントス:到着時200ペソ
 ダバオ:出発時40ペソ
 マニラ:出国時に550ペソ

乗り物
 マルベルでのトライシクル初乗り:6ペソ
 マルベル⇒ポロモロック バス:35ペソ
 バンの貸し切り運転手付:1日1500ペソ+ガソリン代800ペソ
 ダバオ市内タクシー:42~120ペソ
 マニラ空港からホテルまでタクシー:500ペソ
 マニラ空港のターミナル間のタクシー:150ペソ

食事/食べ物
 ジェンサンで7~8人分の朝食:571ペソ
 ポロモロックで6人分の昼食:277ペソ
 キダパワンの市場でバナナ2房:24ペソ

ダバオのショッピングモールで
 マンゴードライ:97.35ペソ
 ジャックフルーツドライ:39.90ペソ
 ドリアンスティック:15.50ペソ
 UBEココナッツ10個入り:27.70ペソ
 MANGO PUREE:85.25ペソ

その他
 キダパワンから日本まで、大きい絵葉書の切手代:30ペソ
 マルベルから日本まで封書の切手代:20ペソ
 ダバオでの日本語ガイド:1日1000ペソ