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「バリ舞踏の夕べ」開催の連絡が友人からありましたので、ウキウキしながら行ってきました。プロの舞踏家の踊りは素晴らしかった。「すかせかりインドネシア」に記事を書きましたのでご覧ください。
「バリ舞踏の夕べ」がありました。会場はなんと産婦人科の2階にあるホールです。ご夫婦で昨日バリのウブドゥから到着したお二人が出演しました。中谷 薫さんとイニョマンスギタルピアナさんです。中谷さんは、北海道小樽出身 バリ舞踊家 1999年インドネシア国立芸術大学校舞踊科に国費留学生として留学。現在も芸術の村ウブドに在住し舞踊活動を続けています。お目出度で、いつ生まれてもおかしくないので、今日は踊りません。ご主人も舞踏家で、バリ島シンガラジャ出身 舞踊グループ”サンガールトリダトウ”主宰現在に至るまで寺院での奉納舞踊やバリ島アートフェスティバルなどで活躍すしている方です。
イニョマンスギタルピアナさんの踊りは、本当に素晴らしかった。プロの舞踏家の踊りを間近で見られたので、細かい動きに驚きました。一曲目の踊りは男性の踊りや女性の踊りではなく中性の踊りです。老人の踊りは仮面をつけて、足元がおぼつかない様子で踊ります。ラーマヤーナに出てくる白いサルやガルーダの踊りも少し見せてくれました。
中谷さんが留学していた大学では、卒業論文は創作舞踏だったそうです。曲は三線と琴とで沖縄の音楽とガムランの融合です。沖縄の音楽もガムランも5音階なので合うのだそうです。少し聞かせてもらいましたが、ガムランと琴と三線がこんなに合うなんて意外でした。
参加者の私達も基本の姿勢をしてみます。バリ舞踏は姿勢が大変です。腰を低くするのは大地のパワーを受けるため。目の動きも練習しました。目だけを動かして、横を見て、パッと正面を見るときに思いっきり目を大きくします。雷を表現しています。手の指を左右に綴じたり開いたりするのは、椰子の葉っぱが風で揺れている様子を表しているのだそうです。適度の運動でしたので、身体がスッキリしました。明日は筋肉痛にならないようにストレッチをしてから寝ましょう。勿論ガムランを聴きながら。
バリのお香を販売していました。買った人にはバリコーヒーkopiをプレゼントというので、喜んでもらいました。バリに行くとkopiを買います。家に帰ってから早速飲みました。懐かしい味がします。ウブドゥで日本人がホテルを始めました。その絵葉書は「ご自由にお持ちください」でしたので、お言葉に甘えて数枚持って帰りました。中谷さんの名詞もいただきました。インドネシアに行きたい気持ちが募ります。
==インドネシア料理教室の開催==
日 時:3月6日(土)10:00~15:30
場 所:札幌市男女共同参画センター4階料理実習室 (エルプラザ内)
参加費:2,000円
定 員:30人
==プログラム==
1 インドネシア料理のメニュー ○Tongseng Kambingヤギ肉(またはマトン)カレー ○Tumis buncis jagung mudaインゲンとコーン炒め ○Kastengelチーズクッキー ○Pudinggelイチゴプリン ○Jawa teaジャワティー ○Nasi putihご飯
2 カリマンタンの自然保護 オランウータン保護などの説明をスライド上映を交えて行います。
3 リンディック演奏 バリ島で演奏を習得された方お二人の演奏です。
4 里親貝からの報告 現在里親45人、里子72人がいます。
バンクーバーで冬季五輪が開催されています。一ヵ月後の3月12日からパラリンピックの開催です。
アイススレッジホッケーの全日本代表で、ゴールキーパーをしている方は3度目の出場。一度お目にかかったとき、「出来ないから」と諦めないことを教えてくださいました。出来るように工夫をするのです。
バンクーバー前の対アメリカ戦の試合が動画で見れます。
http://www.i-project.jp/stand/mobachoo/jp-ish/index.html
ガンバレ!にっぽん!!
・・・という訳ではありませんが、今日の夕食は、「カツ」と「Winner」でした。
ガムランはインドネシア、マレーシアを中心に発達した伝統的な合奏音楽です。楽器編成において、さまざまな種類の旋律楽器を数多く使用します。ガムランは、振動部分の素材に青銅(まれに鉄)や竹などが用いられます。これらの旋律打楽器を主体として、他に太鼓、竹笛、ルバブと呼ばれる胡弓、シンバル型の鳴り物を加えた打楽器中心の合奏音楽ということが出来ます。
ガムランという言葉は、カウイkawi(古代ジャワ語)のガムルgamelという動詞から来ています。①握る ②金属弦をつまびく ③楽器を叩くの意味です。
ガムラン楽器がいつごろ今のような形になったのか分りませんが、東南アジアの旋律打楽器のルーツがドンソンDongson文化(青銅器文化)にあるらしい、というのが、研究者たちの共通の意見です。その後、インド文化、イスラム文化が入ってきて、①バリBali様式=ヒンドゥー・ジャワの伝統に基づく宗教音楽 ②中部ジャワJawa様式=イスラムのスルタンの宮廷を中心に発達した宮廷音楽 ③西部ジャワ(スンダSunda)様式=山岳地帯に点在する各地方都市の特色を呈した民衆音楽の大きく分けて3つの様式になりました。
ガムラン楽器の素材は、青銅か竹で出来ています。
==竹素材の楽器==
ブンブンbungbung 竹筒の一方の節を残し、もう一方を開いた状態にした筒で、節のある方を下にして何か硬い物に打ち付けて音を出します。硬い物に当たったときの振動が筒の中の空気に共鳴して音が出ます。たとえば、色々な長さに切って共鳴する音のピッチを音階順になるようにすれば、ハンドベルのような楽器として使えます。
ティンクリックtinklik バリ島では非常にポピュラーな民間の娯楽用楽器で、11本~14本の鍵盤を備えた旋律楽器です。(下の写真)
最大のものはジェゴグjegogです。ジェゴグは6種類あり、3台一組と2台一組の楽器があります。その最低音域の楽器をジェゴグといい、長さは3~4メートルもあります。
ティンクリックのユニットを竹の枠に組み込んで手に持って揺すってカラカラと音を出すのが、アンクルンangklungです。
==青銅素材の楽器==
構造上、鍵盤楽器類と、銅鑼類に分れ、鍵盤楽器類はグンデル属とサロン属に分れ、銅鑼類はゴング属とボナン属に分かれます。グンデルgenderとは鍵盤を紐でしばって木枠の上に固定し、各鍵盤の真下に竹筒を並べて共鳴筒にした構造の楽器です。
サロンsaronとは、鍵盤を紐でしばらずに、じかに木枠の上においたもの。
ゴングgongとボナンbonangは共に表面にコブのある銅鑼で、構造上の違いはありません。曲を演奏する時の機能の違いから来ています。ガムランには楽譜が無く、二拍子で一周、四拍子で一周、八拍子で一周・・・をユニットとして繰り返して演奏しますので、長い曲になると、何処を演奏しているか分らなくなる為、重要なポイントで鳴らすのがゴング類です。ボナン属は旋律を演奏する為の小型のものです。キ枠に並べたり、1人づつ手に持ったりして演奏します。
==その他の楽器==
クンダンkendangは牛の皮を張った両面太鼓です。大小さまざまなサイズがあり、曲の形式や演奏形態の違いによって使い分けます。通常は雄太鼓(クンダン・ラナンlanag父)と雌太鼓(クンダン・ワドンwadon母)を対にして用い、二人の奏者が1個づつ担当します。
チェンチェンceng-cengは青銅製のシンバルで、大型の物と小型のものがあります。シンバルと同様の奏法です。小型のものは直径10センチくらいのシンバルをまとめて木の台の上に水平に取り付け、両手に持った別の2枚で打ち合わせる奏法を取っています。
シリンsulingは竹製の縦笛です。構造的にはリコーダーと同じ発音原理です。鼻から息を吸いながら同時に口から吐いて演奏することで有名です。声楽の伴奏楽器として発達したもので、独奏用としても用います。
==中部ジャワの楽器==
楽器名称はほぼ同じですが、形状や編成のバランスがかなり違います。バリやスンダと異なり、演奏形態は1種類しかなく、基本的にこの演奏形態だけで全てのジャンルの音楽を演奏します。ゴング類の楽器が多く、鍵盤楽器に関しては、サロン類の楽器が多数使われます。クンダンは胴の中央部が膨らんだ俵型のものが一般的に用いられます。
==スンダ(西部ジャワ)の楽器==
スンダのガムランで代表的なものは2種類あり、ガムラン・ペログ・サレンドロpelog salendroとガムラン・ドゥグンdegungです。ガムラン・ドゥグンではグンデル属の楽器は使われず、クングロンjungglongというゴング属の楽器が用いられるのが特徴です。
参考図書
皆川厚一「ガムランを楽しもう 音の宝島バリの音楽」 音楽の友社 1998年
バリ島の子どもは、だいたい5~6歳くらいから踊りかガムランの演奏を習い始めます。両方同時に、あるいは、前後して習う子どもも多いようです。バリ人の家庭では、ガムランや踊りを子どもが習う事はごく当たり前で最初の段階では特殊なエリート教育はありません。子供たちは村の集会場に集まり踊りの練習をします。
写真はウブドゥの集会場で練習している子供たちです。大きい子と小さいこの二つのグループに分れ、大きい子の練習を小さい子が見ているところです。会計係りの子が、練習に参加する子ども達から授業料を受け取りノートにつけていました。ラジカセから曲が流れ練習が始まりました。
先生は、自然の先生と学校の先生と二種類の先生がいます。自然の先生とは、村の芸術家です。理論的なことや歴史は知りませんし、自分が演奏している曲の名前すら知らない人も多いです。それでも、ひとたび踊ったり演奏すると、人の目を釘付けにするようなパフォーマンスを見せてくれます。
バリ舞踏全体は「観賞用の舞踏」「奉納舞踏」「儀式舞踏」に分かれています。奉納舞踏はお祭りの時に儀式と同時進行で上演されます。儀式舞踏は、儀式そのものです。観賞用の舞踏は、観光ツァーで観る事の出来る踊りで、レゴン・ダンスlegong danceとも言います。レゴンダンスは19世紀頃に成立した古い宮廷舞踏を指す、狭い意味で用いられる事があります。いパンのレゴンダンスと区別する為に、レゴン・クラトンlegong keretonとか、古典レゴンと呼ばれ、一般のレゴンは、タリ・ルパスtari lepasという名で総称されます。ウブドゥでは毎日夜になると、ガムラン、ケチャ、ジェゴグが観られます。
<第60回ホロトロピック・タイム バリ舞踊の夕べ>
日 時: 2010年2月18日(木)19:00~20:30
参加費: 会員 1,000円 一般 1,500円 (ワンドリンク付)
場 所: 響きの杜クリニック 2F ホール
札幌市中央区南2条西27丁目1-9
地下鉄東西線 円山公園駅6番出口より徒歩3分
6番出口への地下通路左に看板があります。
魅惑的な目の表情、繊細な指の動き。豪華な衣装に身を包み、緩急自在のきらびやかな ガムランの旋律にのって、時に優美に、時に野生的に踊られるバリ舞踊。
華麗で神秘的なバリ舞踊は、その高い芸術性を世界的に評価されています。
現在バリでご活躍中の中谷薫さん、イニョマンスギタルピアナさんのお二人に昨年に引き続き、本場のバリ舞踊をご披露していただきます。
~中谷 薫さん~
北海道小樽出身 バリ舞踊家 1999年インドネシア国立芸術大学校舞踊科に国費留学生として留学。現在も芸術の村ウブドに在住し舞踊活動を続けている、セラピーダンスの製作を行なう傍ら、ジャグジャカルタとバリの踊りを融合させた作品をバリ芸術祭で披露。
~イニョマンスギタルピアナさん~
バリ島シンガラジャ出身 舞踊グループ”サンガールトリダトウ”主宰
現在に至るまで寺院での奉納舞踊やバリ島アートフェスティバルなどで活躍する。
鶴見良行 著
「バナナと日本人」
岩波新書 1982年
ミンダナオを知りたい人 必読の書です。
フィリピンは350年間スペイン時代を迎えていました。他の東南アジア諸国がそうであったように、ヨーロッパ時代に搾取する・されるが入った二重構造が出来上がりました。その中でもシンガポールとブルネイが先進国並みのGNPを達成しました。シンガポールは貿易を完全自由化し、ブルネイは人口が少なく石油を持っているからです。
第2次世界大戦が終わり、独立を果たした東南アジア諸国は、この二重構造を埋めるべく努力をしてきましたが、解決しないまま今日まで来ています。政治が未熟なのではなく、搾取する・されるが入った二重構造を埋めるのが、いかに難しいかを物語っています。
日本のスーパーでフィリピン産バナナが安く売られているのはなぜか?ミンダナオの人たちが働けども働けども暮らし向きは一向に良くならないのはなぜか?
この数年、東南アジア諸国では、貧困率が減少しているのに、フィリピンだけ増加し、特にミンダナオは深刻です。
スペイン時代から続いている負の鎖が、幾重にもミンダナオを縛り付けているなと感じました。
インドネシアの庶民に「家庭薬」として古くから親しまれてきたジャムー。痩身、腹痛、のどの痛み、滋養強壮など、期待する効果により調合して服用します。インドネシアには3万種以上の植物があり、約1,000種が薬草で、製薬として利用されているのは400種類。ブラジルに次ぐ豊富な資源です。
市販されているジャムー商品は、医薬品食品監督庁が原料を調べ、安全性を認定する「ジャムー・マーク」を取得していましたが、医療機関で利用されることはありませんでしたし、化学薬品を混ぜるなど品質が低い物も出回っていました。
インドネシア政府は、ジャムーの研究開発を推進しようと、中国の専門家を招いて2004年に、医薬食品監督庁とインドネシア科学院(LIPI)が共同で、初のセミナーを開催し、両国が合同で伝統薬を開発していうことで合意しました。特に、①伝統薬の広範な共同研究 ②国内に流通する偽造品に関する情報交換 ③インドネシアの薬草を利用した漢方薬の開発の3項目を挙げました。セミナーで中国側は、漢方薬の薬草の農場、製造、流通、研究状況などを紹介し、インドネシアの研究者や業者の注目を集めました。
翌年ジョグジャ王宮でジャムー展を開催し、2007年には政府がジャムーを「伝統薬」と宣言。国内総売り上げが7兆ルピアになりました。2008年に医薬品食品監督庁が違法ジャムーを回収、2009年の国内総売り上げは8兆5千億ルピアに達しました。
政府は2007年に他国にコピーされないように「ジャムーはインドネシア独自の伝統薬」と宣言。2009年バンコックで開催された「ASEAN伝統医療国際会議」に代表団を派遣し、各国の教育機関や研究所、実業家との協力を強め、ジャムー産業をインドネシア独自の産業として発展させることを表明しました。
世界的な健康ブームでジャムーは注目され始め、エステ用品などとして、中国、韓国、インド、ヨーロッパなどに輸出されています。外国の製剤会社がインドネシア産の薬草を使用した健康食品などの特許権を取得したり、中国の大手漢方薬会社が進出しているので、保険証広報局は国内のジャムー会社の保護を優先する姿勢を示しています。
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