書籍「バナナと日本人」
鶴見良行 著
「バナナと日本人」
岩波新書 1982年
ミンダナオを知りたい人 必読の書です。
フィリピンは350年間スペイン時代を迎えていました。他の東南アジア諸国がそうであったように、ヨーロッパ時代に搾取する・されるが入った二重構造が出来上がりました。その中でもシンガポールとブルネイが先進国並みのGNPを達成しました。シンガポールは貿易を完全自由化し、ブルネイは人口が少なく石油を持っているからです。
第2次世界大戦が終わり、独立を果たした東南アジア諸国は、この二重構造を埋めるべく努力をしてきましたが、解決しないまま今日まで来ています。政治が未熟なのではなく、搾取する・されるが入った二重構造を埋めるのが、いかに難しいかを物語っています。
日本のスーパーでフィリピン産バナナが安く売られているのはなぜか?ミンダナオの人たちが働けども働けども暮らし向きは一向に良くならないのはなぜか?
この数年、東南アジア諸国では、貧困率が減少しているのに、フィリピンだけ増加し、特にミンダナオは深刻です。
スペイン時代から続いている負の鎖が、幾重にもミンダナオを縛り付けているなと感じました。
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