『歴史空間としての海域を歩く』
早瀬晋三 著
『歴史空間としての海域を歩く』
法政大学出版
2008年
目次
Ⅰ調査日誌
Ⅱ書評空間
Ⅲ歴史空間としての海域世界への道
『歴史研究と地域研究のはざまで-フィリピン史で論文を書くとき』はライブラリーワーク編で、この本はフィールドワーク編です。
調査日誌は1997年7月~8月に、ミンダナオとスラウエシ島、マルク諸島を調査した時のもので、写真もたくさん載っています。
著者が始めにで、「『読むこと』『観ること』だけでは現在の社会を把握することは難しくなっており、『共に生きること』を研究対象から学ぶことによって、理論的にだけでなく、社会の複雑さや奥深さを膚で実践的に理解することが必要になってきている。」と書いてあります。Ⅱ書評空間やⅢ歴史空間としての海域世界への道を読んでいくと、『共に生きること』に視点を置き研究がなされたのは最近の事なんですね。
読んでいてワクワクする本です。この当たりの地域は、フィリピン、インドネシアの国家の枠組みの中で考えるより、ひとつの自立した海域として見ていくと分かりやすいです。この調査の後の2003年、著者は『海域イスラーム社会の歴史-ミンダナオ・エスノヒストリー』を出版しました。

« 白石神社 | トップページ | 難病連:札幌・道央地区役員研修会2日目 »
コメント