ガムランとドビッシー
1889年に開催されたパリ万博でガムランが演奏されました。西ジャワのスンダ地方から演奏に行きました。波紋のように広がって行く音楽に強く影響されたドビッシーは、ガムランと真剣に向かい合いました。
まず先にガムランの演奏をお聞きください。
次にドビッシーの曲をお聞きください。この曲の導入部がガムランと似ています。
ドビッシーがガムランを取り入れたのは1890年前後に集中しています。ドビッシーの作品としては完成度が高くないのは、実験だからでしょう。その後もドビッシーはガムランと真剣に向かい合いました。異国の音楽を再現しようとはせず、ガムランの音楽構造の根幹に注目し、それを消化していったのです。
ドビッシーが取り入れた個所は、フィリピンの民族音楽「クリンタン」に良く似ています。
インドネシアとフィリピンの文化って、似ているところがあるのかもしれません。
下の写真は、ミンダナオ島のビラアン民族の「クリンタン」で、旋律を担当している小さいゴングです。
Aの音を中心に展開していき、しばらく演奏します。その後は、イ、ロ、ハの音で短く演奏し、上に上って、Bの音が中心に又しばらく演奏になります。それから全体を使って演奏し、始めに戻ります。この繰り返しなのです。
AやBの音を中心に展開しているところが、ドビッシーがガムランを取り入れたところと似ていると思いました。

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