『人生を闘い抜く』
山本由紀著/大嶋利佳構成『人生を闘い抜く』雙志館、2018年
Fb上で大嶋さんが本を出版しますと本書の写真をアップしたのを見て、山本さんのお顔に心が揺さぶられましたので、購入をしました。
届いた本を見て泣けてきました。山本さんのお顔は私の心を穏やかに揺さぶります。
山本さんは27歳で極真空手に入門し、結婚、子育てをしながら世界大会で優勝しました。 女性であること、遅くになって空手を始めたこと、子育てをしながら空手をしていること、世界大会では大けがをしたこと。。。さまざまな困難を乗り越えてきました。
山本さんは暗闇の中から光を見出す人なんですね。
心が傷ついている人に寄り添う人なんですね。
読んでいると二人の人の言葉が思い浮かんできました。
一人はチベット仏教のダライ・ラマで、講演の最後は質問を受け付けているのですが、自分で探し求めることに関しては「I don`t know」を連発しています。
もう一人は娘がミュージカルの稽古をしていた時の先生で、「食いついていくのも才能」とおっしゃっていました。
「生まれてきた意味なんて、ありませんから」の一言は目からうろこでした。
生まれてきた意味と人生の意味とは違うんですね。私は一緒にしていたから分からなかったんです。
自分の人生の意味を探ろうと思ったら、過去を振り返るといいのですね。
私はカトリックで、洗礼を受けるときに洗礼名を決めます。家族のサポートばかりをしてきたので、お手伝いさんで聖人のノドブルガの名前を頂きましたが、それは何かの手段だと思いました。
これからは「人生の意味」を探っていきたいと思います。
この本は、現実をしっかり受け止めて人生行路を歩んでいる人の応援歌ですね。
厳しい現実を目の前にして、うずくまっている人に指針を与えてくれます。「行けー、突き進めー」とげきを飛ばしませんから大丈夫ですよ。
今月発売になったばかりの本書を読み終え、適当な個所を開いて顔に近づけ、匂いをクンクンしながら、人生って愛おしいものだと思い、余韻に浸っていました。
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