清水由美『日本語びいき』
清水由美『日本語びいき』中公文庫、2018年
本書は単行本に手を入れて文庫化したのだそうです。
著者の清水由美は日本語教師です。国語教師と日本語教師とは違うんだって。国語教師は母語が日本語話者に、日本語教師は母語が外国語話者に日本語を教える人なんだって。外国の人から日本語を見る目線が必要なんだって。
話し言葉で、この「だって」の「っ」が入るのって、日本語学習者は混乱するんだって。アニメで日本語を覚えた人は混乱しないんだって。・・・と、「っ」を連発してみました。
この本、国文法の本なのね。
文法のあとには、文法を覚えているだけでは読めないのよねって話が出てきます。
例えば、「そういえば、秋は小さいものを見つける季節」のキャッチコピー、「♪ 小さい秋見つけた」の歌を知らなかったら、え?って思うでしょ。辞書に載らない知識と教養が必要とのこと。
で、最後は日本語のルールです。
その1:目下の人は目上の人を評価してはいけません。
その2:目下の人は目上の人の感情を(特に欲望)を生々しく言ってはいけません。「~のようだ」とか、間接化した言い方もいけません。
特に評価は、講演会や寄稿のお礼メールを差し上げるときに、言葉が詰まるのよ。えぇ~とって考えちゃう。
国文法が苦手な私でも、楽しく読めました。
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