小川糸『キラキラ共和国』
この本は『ツバキ文具店』が面白かったので、同じ著者の本だからと思い買いました。
登場人物が同じなので、読み始めてすぐに、『ツバキ文具店』の続編だって分かりました。
帯に、『ツバキ文具店』待望の続編って書いてありました。
本を買うときに帯は目に入っていません。
あぁ~、懐かしのポッポちゃん。
ポッポちゃんは、あのカフェのマスターと結婚したところからこの物語は始まります。
ポッポちゃんは文具店の経営と代書業を続けています。
頼まれる代書は、家族宛のものばかりで、様々な関わりががります。
よい関係を築いている人も居れば、そうでない人も居ます。
そうではない人でも、それにあらがう気持ちも出てきます。
これらのシーンごとに自分の過去を思い出します。
この感覚を例えると、花壇に咲いている植物を、ミントかもしれないと思って葉っぱをちぎり手でもんで、匂いを嗅いで「あっ、違う」と思った時の感覚が一番ぴったりします(この思い出がしっくりくるとは、マジですか!)。
ちょっと残念な感覚が入っているのは、人生はままならないし、ほろ苦く感じるときもあるけれど、自分の人生に後悔がないからです。
ポッポちゃんや代書を頼む人とは違う人生を歩んでいるのに、自分の過去を思い出すのは、これがあるかもしれません。一部引用します。
「竹はなんて潔いのだろう。迷うことなく、天に向かって一心に伸びる姿がうらやましくなる。ただ、上空を見上げると、一本一本が独立しているように見える竹も、上の方の葉っぱは互い互いに支えている。そして、根っこではみんなが繋がっているなんて、なんだか家族みたいだなーと思った。」
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