『私は本屋が好きでした』
永江朗『私は本屋が好きでした』太郎次郎社、2019年
帯に、「ヘイト本が本屋から絶えない事情がある。」と書いてあります。ヘイト本ってあるんですね。嫌韓反中の本だそうです。
韓国や中国政府や企業の批判から始まって、理屈関係なく民族や在日コリアン、中国人が悪いになっているとのこと。
このような本が並んでいると、書店に行くとイヤでも目に入ってくるんです。在日コリアンの女性は、おまえは許されない存在なんだからなと本が訴えかけているように感じるそうです。その書店の前を通れなくなると。。。
2016年に「本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取り組みの推進に関する法律」が施行されても、ヘイト本やヘイトスピーチは続いています。
この本を読んでいる最中に大型書店に行きましたが、入り口近くにヘイト本が平積になっていて、その上に別の本が数冊ありました。
この二冊を合わせて読んでくださいと感じました。
取り次ぎから配本されたから置いてあるのでしょうが、無意識なのか意図的なのか。
出版事情、裏付けのないネット情報、マスコミによる日常的な刷り込み、マスコミへの不満、日本の閉塞感、韓国や中国への偏見などが絡み合っている。
表現の自由、思想の自由ってその先にいる人を傷つけても許されるものなの?
悪いことだと思っていてもやめられない事情って、変じゃないですか?
本の内容を考えないで配本したり、書店に置いたりするのって、思考停止状態じゃないですか?
確信犯の出版社は1社だけだそうです。
ヘイト本が置いてない書店は、独立系の書店(店主が本を注文して置いてある)だそうです。著者はこのような本屋をセレクト書店と言っています。
この本は、個人経営の新刊書店で買いました。
私、個人経営の新刊書店を大切にします。
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