尾身茂『WHOをゆく』
5月14日から6月20日までの緊急事態宣言、諸々が滞っていますので、用事を足しに出かけました。
そのついでに、昼食は久しぶりの外食をし、巣ごもり用に本を2冊買ってきました。
その内の一冊が政府分科会の尾身会長のただ一冊の単書『WHOをゆく』医学書院、2011年です。
後半は心が震えました。
政府分科会の尾身会長は、WHO西太平洋地域で20年間仕事をしていて、後半の10年間は事務局長を務めていらっしゃいました。
最初の20ページでは度肝を抜かされましたので、ざっくり紹介します。
WHOでの初めの仕事はポリオ撲滅。
ポリオのワクチン接種をしなければなりません。
まず先に中国から始め、一人っ子政策を行っている中国政府を動かしました。二人目以上がいるのを政府が認めないと子供にワクチン接種が出来ないから。
紛争地域のミンダナオ島とカンボジアでは、ワクチン接種のためにだけで停戦協定を結びました。
デルタ地帯では、船で移動生活をしている人の子供を取り逃がさないように、メコン川の上流と下流、両岸から網を張るようにして、ワクチンを打って、打って、打ちまくり、西太平洋地域からポリオを撲滅しました。
尾身会長がWHOの仕事を終えて帰国したのは日本にとって幸運だと思いました。
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