ライフヒストリーを聞いて
私の研究テーマは「移民と戦争」をフィリピンのダバオ市でしていますから、戦前生まれの方たち数名にライフヒストリーを伺いました。何十年前のことですから記憶が断片的で、思い違いや記憶違いが有ったりしますが、その人の人生に何にも影響が無いんですね。
しっかりしているなと思った人は、自分の進む道を自分で切り開いていました。子供の頃は周りの大人たちに、かわいがってもらっていたのだろうなと思った人は、一番大変な時に差し出された手を掴んでいました。
戦中は歯を食いしばって仕事をしてきた人は、戦後も歯を食いしばって生きてきました。
とっさに決めた事やじっくり考えて決めた事も、人柄が出ています。人は、人柄で生きていると分かり、それが自分らしい人生なのだと思いました。
お話を伺った方はどなたも心に大きな傷を負っていました。
飛行機が飛んでいる音、花火大会の音でフラッシュバックする人がいました。
戦時中のことは辛くて話したくないと言いながら話をして下さった方がいました。
米軍がフィリピンに上陸し、ダバオの在留日本人は山中に逃げました。このころから帰国までの記憶が抜けている人もいました。
戦中の話を、戦後生まれの人にして、どこまで分かるのかなと思うと空しくなると言いながら語り続けている人もいました。
人生は尊いですね。
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