映画「ニュー・シネマ・パラダイス」
「新・午前十時の映画祭」で、この映画を観ました。
シネマコンプレックスで、封切と往年の名画を見れるのもあとわずか。来年3月まで、この贅沢をしっかり味わいます。
「ニュー・シネマ・パラダイス」は、イタリアのシチリア島にある村が舞台で、低迷を続けるイタリア映画が復活したと世界に知らせた映画です。
やんちゃ坊主のトトは映画が大好きで、映画館に入り浸っています。映画技師のアルフレードと友情を深め固いきずなで結ばれていました。アルフレードがトトに、この村から出て戻ってくるなと言います。トトはその通りにし、実家にも連絡を入れませんでした。そんなトトに母から電話があり、アルフレードが亡くなって明日葬儀があるとのこと。トトは30年ぶりに故郷に戻りました。すっかり変わってしまった故郷ですが、思い出はそのまま残っています。
トトが入り浸っていた村に一つしかなかった映画館は、数年前に休館になり壊される寸前でした。廃墟となった映画館の中に入ると、以前の風景が目に浮かびます。映写室には切り取ったフィルムが残っていました。
アルフレードが奥さんに、トトに渡すようにと言ったものを受け取ります。それは、新聞紙に包まれたフィルムが缶に入れらていました。
アルフレードの葬儀が終わり、ローマにもどったトトは、つなぎ合わせたフィルムを、試写室で観ました。トトは映画監督になっていたのです。そのフィルムは、上映前にポルノだとされて切り取られたキスシーンをつなぎ合わせたものでした。アルフレードはトトとの約束を忘れていませんでした。
故郷を捨てて忘れようとしていたトトですが、過去を愛おしく思いながら、そのフイルムを見ています。
30年ぶりに帰ってきたトトに母は、電話をかけるたびに違う女の人が出るが、その女性はトトを愛していないのが声で分かる。心から愛せる人が見つかり、落ち着いてくれたら…と言います。
きっと、これからのトトの人生は、母が望むようになるでしょう。
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