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本紹介

2019.05.03

石井桃子『ふしぎなたいこ』

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石井桃子文、清水崑絵『ふしぎなたいこ』岩波子どもの本、1953年

私、子供のころは体が弱かったんです。10歳までに5回入院をしました。熱を出して寝ていると、父が本を買ってきてくれました。
その中で一番印象に残っているのがこの本です。
題名は忘れていました。
太鼓をたたくと鼻が伸びるんです。どんどん伸びていった鼻は雲の上まで行って、木に縛られました(私の記憶による)。
ねぇ、信じられる?
鼻が伸びたり縮んだりするんだよ。
雲の上に人が住んでいるんだよ。
ワクワクしたのを覚えています。

このお話の題名が分かりませんでしたので、「太鼓たたくと鼻が伸びたり縮んだり」で検索をして見つけ、早速購入しました。

文と絵が温かいの。
「かえるのえんそく」と「にげたにおうさん」も入っています。
私が生まれる前に出版になったこの本、2018年は第54刷だって!
父の思い出と一緒に大事に取っておこう。

清水由美『日本語びいき』

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清水由美『日本語びいき』中公文庫、2018年

本書は単行本に手を入れて文庫化したのだそうです。

著者の清水由美は日本語教師です。国語教師と日本語教師とは違うんだって。国語教師は母語が日本語話者に、日本語教師は母語が外国語話者に日本語を教える人なんだって。外国の人から日本語を見る目線が必要なんだって。
話し言葉で、この「だって」の「っ」が入るのって、日本語学習者は混乱するんだって。アニメで日本語を覚えた人は混乱しないんだって。・・・と、「っ」を連発してみました。

この本、国文法の本なのね。
文法のあとには、文法を覚えているだけでは読めないのよねって話が出てきます。
例えば、「そういえば、秋は小さいものを見つける季節」のキャッチコピー、「♪ 小さい秋見つけた」の歌を知らなかったら、え?って思うでしょ。辞書に載らない知識と教養が必要とのこと。

で、最後は日本語のルールです。
その1:目下の人は目上の人を評価してはいけません。
その2:目下の人は目上の人の感情を(特に欲望)を生々しく言ってはいけません。「~のようだ」とか、間接化した言い方もいけません。
特に評価は、講演会や寄稿のお礼メールを差し上げるときに、言葉が詰まるのよ。えぇ~とって考えちゃう。

国文法が苦手な私でも、楽しく読めました。

2018.12.31

『フレディ・マーキュリー 孤独な道化』

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レスリー・アン・ジョーンズ著/岩木貴子訳『フレディ・マーキュリー 孤独な道化』ヤマハミュージックメディア、2013年

クィーンは「キラークィーン」がヒットしていた頃ラジオで聞いていた程度でしたが、映画『ボヘミアン・ラプソディ』公開前にFbのニュースフィードで予告編が上がってきたのがきっかけとなり、クィーンの魅力に取りつかれました。
映画は2回観に行って、2度目はフレディの命日(11月24日)です。

ネットで、フレディについて書かれた本は、この本が一番いいとの情報を得て、他大学にある本を予約を入れ借りました。

フレディとクィーンの略歴を紹介します。
1946年 アフリカのザンジバル(元イギリス領)で生まれる。
1955年~1963年 インド(元イギリス領)の寄宿学校に入る。
1963年 ザンジバルに戻る。
1964年 ザンジバルで革命が起き、一家はイギリスに亡命。
1966年 イーリング・コレッジ・オフ・アートに入学し、69年卒業。
1970年 ブライアン・メイ(リードギター)、ロジャー・テイラー(ドラム)、
      フレディ・マーキュリー(ボーカル)でクィーン結成。
      翌年ジョン・ディーコン(ベースギター)が加入。
1991年11月24日 フレディ他界。クィーンの活動は続く。
1997年 ジョン・ディーコン、クィーン脱退。
2006年 ブライアン、ロジャー、ポール・ロジャースが「クィーン+ポール・ロジャー」
      としてワールドツアーを行う。
2011年 クィーン結成40周年。ロンドンで「クィーン展」開催。
2018年 映画「ボヘミアン・ラプソディー」公開。5週連続前週を上回る入場者数になる。

本を読んだ感想ですが、フレディの仕事のキャリア、私生活に私の頭はくらくらしてきました。
フレディ主催の乱痴気パーティー、映画ではかなり控えめなシーンになってるわ。そのまま映像にしたらスクリーンの下半分はモザイクだね。
大きなライブになると、観客の動員数は12万人とかなんだから!
仕事上でお付き合いのあるアーティストの顔ぶれにも頭がくらくらしてくる。私でさえ知っている名前が何人も。
その一人がデヴィッド・ボウイ。
映画で使われている曲にクィーンとボウイが歌っている「アンダー・プレッシャー」は両者で曲を作ったんだー!

ハチャメチャなフレディを理解し受け入れたのは、クィーンのメンバー、メアリー・オースチン、ジム・ハットン、バーバラ・ヴァレンティン。これだけいるから、フレディの人生は短かったけど、良かったと思うんです。

フレディの両親はパールシー教(ゾロ・アスター教)ですが、フレディ自身は信仰していなくて、死の直前にキリスト教に改宗しました。。葬儀はパールシー教で行われました。パールシー教は風葬なのですが、イギリスでは出来ないから火葬し、遺灰はサリー州のブルックウッド墓地かも知れません。

2018.11.30

イシメール・ベア『戦場から生きのびて』

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イシメール・ベア著、忠平美幸訳『戦場から生きのびて』2018年、河出文庫

本のタイトルを見て、戦場から生きのびた著者は何をしているのかなと思ったので、この本を購入しました。

著者のイシメール・ベアを紹介します。...
1980年、アフリカのシエラレオネに生まれる。友人と外出中に実家がある集落が反政府軍に襲撃され、帰る家が無くなり家族の消息が分からなくなる。
友人と山中や集落をさ迷い歩き、政府軍の少年兵となる。
1996年に国連のユニセフに救助され、リハビリテーション施設に入り矯正プログラムを受ける。麻薬の禁断症状から抜け出したころ、叔父が見つかり、引き取られる。
ニューヨークで開催された国連国際子ども会議で演説をする。ストーリーテラーの女性と出合い連絡先を交換する。
帰国後、クーデターが起き、再び戦渦に巻き込まれ、祖国を脱出し、ギニア経由でアメリカに渡る。
ストーリーテラーの養子になり、大学を卒業する。
現在、人権活動家で、国連の親善大使を務めている。

この本は、友人と外出中に集落が襲われたところから始まり、アメリカに行くためにギニアに行ったところで終わります。元少年兵が自分で語った本書は、40以上の言語に訳され、世界で読まれています。

戦場でなぜ生きのびれたか?
著者は今、何をしているのか?
この問いに対して、「神様のお導き」という答えしか見あたりません。

2018.06.26

柳田邦夫『妻についた三つの大ウソ』

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柳田邦夫『妻についた三つのウソ』新潮文庫、平成5年。

ウソ3つで本を一冊書けるなんて、やっぱりプロはすごいなと思って本書を購入しましたが、短編集の中の一つでした。
39の短編が収められていますが、なんか中途半端な数字。
あとがき入れれば40チョッキリになるので、私の気持ちが収まりました。

初めに読んだのはやっぱり「妻についた三つの大ウソ」。三つともお酒がらみで、ウソがばれています。著者は酒豪なんだ!

読んでいくと、しんみりしたり、大笑いしたり、考え込んだり、過去を思い出して懐かしくなったりします。こういうのを躍動感がある文章というのでしょうか。

私は勉強のために読む本は、読書の中に入っていません。一冊全部読んで多少なりとも味わうと「読書」って感じます。
「読書の悲惨」の所で、あぁ~、なるほどと思いました。
勉強のための本は必要な箇所だけしか読まないのは、著者も同じなのです。

そして最後は「締め切り前にスイミング」です。原稿の締め切りが近づいてくるとプールでひと泳ぎして、帰宅途中は「ゲンコウよりもケンコウ」と自分に言い聞かせているとのこと。
私も追いつめられると逃避をし、最近は読書です。
追いつめられる回数と読書の数は正比例しています。
著者も同じなんだなと思いながら、本を閉じました。

2018.06.22

『闘う敬語』

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大嶋利佳 原案・監修/朝倉真弓 ストーリー
『闘う敬語』プレジデント社、2017年

敬語で闘うのかぁ~と思ったので、購入しました。

不動産会社の営業部に入社した新人2名と上司とが、1年間さまざまな場面で敬語を使いながら困難を乗り越え、成長していく姿を描いています。

冒頭で著者は「言葉からその人が透けて見える」といい、最後には日本人の体質に踏み込み、対策を提示しています。
原案の大嶋さん、スゴイわ。

出版になったときに購入し読んだのですが、1年たってクレーマー対策をしなければならないので、もう一度その個所を読みました。
クレーマーって自分に対しての恥ずかしさのない人なんだって分かりました。
これは相手の問題であって私の問題でなないので、クレーマーの人に対して私が困ることはないんだって気付きました。
その時々で私が困っていることに対しての対応をすればいいんだよ。
「分っけ分かんないことをグダグダ言ってんじゃないよ」な~んて言ったら角が立つから、そこは敬語を使って言うのです。

実生活にも役に立つ本を購入して喜んでいます。

2018.06.01

『「その日暮らし」の人類学』

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小川さやか『「その日暮らし」の人類学』光文社新書、2016年

著者はタンザニアで長くフィールドワークをし、論文3本を書きました。本書は『小説宝石』に連載したものを加筆修正したものです。
タンザニア路上商人は、それぞれ独自の仕入れのルートがあるのです。それを新人に教えるんだから。
どうしてなのかはテレビで何かの番組を最後のようだけ見てた時に分かった。野生の感だわ。
おさるは自分だけが良い思いをしていると群れが崩壊するからしないんだって。

中国人、コピー商品を作って販売しているんだけど、薬には手を出さないんだって。
していいことと悪いことの最後の一線は引いているようです。

それにしてもタンザニアの人たち、パワーがあるわ。
ホントはみんな、明日をも知れない「その日暮らし」なんですよね。

2018.05.30

『政治と秋刀魚』

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ジェラルド・カーティス『政治と秋刀魚』日経BP社、2008年

古本屋さんを覗いていたらこの本のタイトルに惹かれて読んでみたいと思い購入しました。
著者は政治学者で日本の政治を研究して、受賞歴の中に旭日重光章があります。
始めて日本に来たのが前回の東京オリンピックの年で、以来アメリカと日本の往復をしています。...
日本人女性と結婚して二人の娘がいます。
本書は政治から日本社会を見ていて、分かりやすく書いてあるので、政治が苦手な私でも一気に読み進められました。
お子さんが小学生の頃、夏休みは毎年群馬県山間部の月夜野町で過ごし、現地の小学校が夏休みに入るまでの5~6週間は体験留学をしていました。その時の事を書いた箇所を引用します。

「娘の北小学校での体験の中から、読者の皆さんにぜひ知ってもらいたいことが一つある。なぜなら、これは日本人の価値観に関する非常に重要なことだからだ。娘たちが北小で一番驚いたことは、生徒が四つん這いになって床を磨いたりして、学校の清掃を手伝う事だった。これは日本では当たり前のことであるが、アメリカではそうではない。ある日、娘たちが帰ってきて、その日の役割がトイレの掃除だったと報告した。長靴を履いて手袋をはめて掃除をしたという。
 そういうことをさせられたら、嫌がるだろうと思う人はいるかもしれないが、決してそうではなかった。どちらかといえば、誇りをもって話してくれた。その事が今でも強く印象に残っている。そういうことをすることによって、娘たちはお世話になっている学校に対する責任を感じさせられたのではないかと思う。自分たちの学校を清掃する子どもは、学校内清掃が他の人の仕事だと思う子どもよりも遥かに学校自体をきれいにしょうという思いや、学校に対する尊敬の念が強いだろうと思う。このように学校を清掃するという行為は子供たちに、責任感や清潔感、そしてコミュニティのものを大切にすることなどを自然と教え込んでいるのである。」

著者は、日本の政治改革は外国の仕組みをそのまま持ってくるのではなくて、日本的なやり方にアレンジしなければうまくいかないと言う。もっと日本を知りたいと思いました。

「噺家ものがたり」

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村瀬健『噺家ものがたり』メディアワークス文庫、2018年。

就活をしている大学生が、会社の面接日に寝坊して、慌ててタクシーに乗ったところから話が始まります。
そのタクシーの中で流れていた落語を聞いて、大学を中退し、住まいを引き払い、ケータイを解約して、その落語家のもとに弟子入りをしました。
落語家の生活ですもの、笑いあり涙あり。...
笑いと涙と一緒になった時はワタクシのココロは戸惑います。
覚悟が決まるとキモが据わり、オーラとして出るんだね。

選挙戦が始まったころの新弟子と師匠の会話。

新弟子「投票に行くんですか」
師匠 「行くよ」
新弟子「どこに入れるんですか」
師匠「箱」

私も今後、どこに投票するか聞かれたら「箱」って答えよう。

ワタクシのこれからの人生は猫のように自由に生きて、こう言われるようになるのです。
「ばあさん、正気かい?」
おあとがよろしいようで。

2018.05.27

『人生を闘い抜く』

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山本由紀著/大嶋利佳構成『人生を闘い抜く』雙志館、2018年

  Fb上で大嶋さんが本を出版しますと本書の写真をアップしたのを見て、山本さんのお顔に心が揺さぶられましたので、購入をしました。
届いた本を見て泣けてきました。山本さんのお顔は私の心を穏やかに揺さぶります。

  山本さんは27歳で極真空手に入門し、結婚、子育てをしながら世界大会で優勝しました。  女性であること、遅くになって空手を始めたこと、子育てをしながら空手をしていること、世界大会では大けがをしたこと。。。さまざまな困難を乗り越えてきました。
  山本さんは暗闇の中から光を見出す人なんですね。
心が傷ついている人に寄り添う人なんですね。
  読んでいると二人の人の言葉が思い浮かんできました。
  一人はチベット仏教のダライ・ラマで、講演の最後は質問を受け付けているのですが、自分で探し求めることに関しては「I don`t know」を連発しています。
もう一人は娘がミュージカルの稽古をしていた時の先生で、「食いついていくのも才能」とおっしゃっていました。

  「生まれてきた意味なんて、ありませんから」の一言は目からうろこでした。
生まれてきた意味と人生の意味とは違うんですね。私は一緒にしていたから分からなかったんです。
自分の人生の意味を探ろうと思ったら、過去を振り返るといいのですね。
  私はカトリックで、洗礼を受けるときに洗礼名を決めます。家族のサポートばかりをしてきたので、お手伝いさんで聖人のノドブルガの名前を頂きましたが、それは何かの手段だと思いました。
これからは「人生の意味」を探っていきたいと思います。

  この本は、現実をしっかり受け止めて人生行路を歩んでいる人の応援歌ですね。
厳しい現実を目の前にして、うずくまっている人に指針を与えてくれます。「行けー、突き進めー」とげきを飛ばしませんから大丈夫ですよ。
今月発売になったばかりの本書を読み終え、適当な個所を開いて顔に近づけ、匂いをクンクンしながら、人生って愛おしいものだと思い、余韻に浸っていました。